日本健康同盟(略称・健康同盟)
Page7(2005年3月3日記載)
[21世紀の統合医療システム」のメディカル・モールの新規性(進歩性)の件(その5)
【 メディカル・モ−ル設立趣意書 】 ( 補足説明作成に当たり )
★ 印:リンク
標記の件を考慮する上で必要な資料−その5:
2000年9月
● 新規性(進歩性)の件 「健康同盟」世話人・酒 井 洋 明
▲ 日本の医療地図は激変する・著者:丹羽幸一+杉浦啓太、宝島社出版)より:
●「日本の医療市場開放はGATT(関税貿易一般協定)で約束済み」:
1993年のウルグアイ・ラウンドで、医療分野を含めた155種類の業種において自由化
の約束、義務の留保などを定めたサ−ビス協定が参加各国の間で結ばれた。同協定に基づい
て各国が自国の自由化内容を約束する約束表を策定し、それらがWTO(世界貿易機関)に
引き継がれている。この中で日本は約100種類の分野で自由化の約束をしている。健康関
連サ−ビスの分野も例外ではない。時期こそ明示していないものの、病院について外資制限
はしないという自由化の約束がすでに取り交わされている。
●「1990年秋、アメリカ議会技術評価局(OTA)★ ★ ガン問題調査委員会が発表した
『ガンの非通常療法』」:
それは「従来のガン療法には限界がある」とし、「代替療法の積極的検討」などを求める
内容だった。
●注目される「根拠のある医療」:医療にとって重要なのは、単に科学的な装いをしているだ
けでなく、どのような根拠によって、その療法がなされているのか、ということなのだ。先
述したOTAの報告書は、このような現代医療の限界を見極め、ゲルソン療法★など一般に代
替療法と呼ばれる自然療法を推奨している。
●アメリカ国立ガン研究所(NCI)★も代替療法を研究すべきであるとし、アメリカ政府もこ
うした代替療法に、人的パワ−を投入すべきだと提言したのである。こうなってきた時、患
者が手にする医療情報は西洋医学にとどまらないだろう。
3000年の歴史を持つインドの伝承医学 アユ−ルベ−ダ、チベット医学★、そして中
国の伝統医学を統一した中医学、イスラム圏のユナニ医学★など、世界各地のさまざまな伝
統医学★の智恵も今後の医療には活かされるだろう。
●特に慢性疾患 に対しては、伝統的療法の吟味が行われ、その中で有効なものは正しく評価さ
れ、西洋医学との融合が図られるようになるだろう。
もちろんその時には、まがい物の民間療法は当然 淘汰されることになる。
→この予言は、既に「メディカルモ−ル」構想の中に入っている。(酒井)
●アメリカでは、今や国民の三分の一以上が代替療法を受けている。代替療法の診療所に運び
込まれた患者数は、延べ3億8800万以上にもなる。
これに支払われた金額は、患者が自己負担した全国病院医療費分・128億ドルを上回り、
一年間で140億ドルに達している。
(アメリカIMS社・ポ−ル・スミス統計サ−ビス部長ほか「2000年以降の医療に関す
るリサ−チ・デ−タベ−ス」より)
●アメリカ国立衛生研究所(NIH)★は代替療法に注目し、総額120万ドルの研究費を拠出
する事を決定した。
●アメリカの厚生省は、慢性疾患患者のセルフメディケ−ション(自己治療)対策の中に、漢
方薬 療法や鍼灸術、食事療法などを取り入れるべく検討を始めている。
●医薬品情報の公開:
外資大手の萬有製薬は、親会社であるアメリカのメルク社が持つ世界的規模の医薬品情報を
日本のユ−ザ−(病院・診療所)向けに提供している。医薬品情報をデ−タ−ベ−ス化して
BLIC(萬有製薬情報総合提供システム)を作り、アメリカ本部本社がこれをリアルタイ
ムで支援する体制が整えられている。更にメルク社は、「DRUG NEWS」(薬品情
報)などの情報をインタ−ネット上で世界中に公開している。
メルク社の医学情報には定評がある。英語圏の医師300万人をはじめ、世界中のナ−スや
検査技術者などに広く読まれている。「THE MERCK MANUAL」(メルク・マ
ニュアル)という本(メルク社発行)があるが、これは医学知識のバイブルとも言われている。
●医療情報の電子化が急務・ まず「DRG/PPS」の導入が急務:
DRGとは、患者に施した治療内容によって病名を500程度のグル−プに分類する方法のこ
とで、DRG/PPSはそのDRGに基づいて診療報酬支払い方式である。DRGによる治療
方法の標準化によって、効率的な治療が実現できるとされている。また、診療方法が定額化さ
れるDRG/PPSの導入は、医療費の抑制にもつながる。
●世界の先進国の医療で提起されている問題:
1 患者の入院から退院迄を総合的にリアルタイムに解析するのに役立つデ−タ・
マネジメント・システムの構築と患者診断情報のセキュリティの確率
2 ヘルスケアに有用な電子カルテの開発
3 過剰検査についての検査項目の削減
4 高額医療機器の共同使用の拡大
5 アメリカの情報ス−パ−ハイウエ−構想などで急浮上してきたインタ−ネットに
よる医療の情報化